パン屋秋日和
神奈川県真鶴町でパン屋を営む
真鶴駅から海岸へと向かうゆるやかな下り坂の途中にある、パン屋秋日和。白いペンキで塗られた壁は風景に溶け込んでいて、看板が出ていなければパン屋さんだとは気がつかないかもしれません。2018年に真鶴に移住し、仮店舗での営業を経て2019年秋にこの場所にお店をオープンされた秀一さんと綾香さん。街の人から愛されているパン屋さんで、取材に伺ったお天気のよい週末は、お昼すぎにはパンがすっかり売れ切れていました。焼き立てのパンの香りがただようお店の中で、お話を伺いました。
大学でも数学を学んで、その後にIT関係の仕事についたという清水さん。食に関わる何かをつくる仕事がしたいと考え、お母さまがパンづくりを教えていらしたこともあり、自然にパンをつくるようになったそうです。発酵に6~7時間かかるという天然酵母のパンを、その日の温度や湿度により細やかな調整をしながら、さまざまな種類のパンを一人で焼いていらっしゃいます。取材中、「お隣に美味しい焙煎コーヒーのお店ができたのですよ。」とコーヒーを出してくださいました。コーヒーとパンの香りの中、お話を伺っているその間にもお客さんが来店し、綾香さん、秀一さんと楽しそうに言葉を交わしていらっしゃいました(焙煎コーヒーのお店「watermark」)。帰りがけには「真鶴の新しいお店や移住した人にとって中心的な場所があるのですよ。」と出版社とゲストハウスを営む「真鶴出版」を教えてくださいました。丁寧で実直なパンづくりと気さくな人柄の秀一さん、爽やかな笑顔が素敵な綾香さん、お二人のお店が街にはなくてはならない存在になっていていることを感じました。定番の田舎パンは、また食べたくなる深い味わいのとても美味しいパンでした。ありがとうございました。