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    vol.117

    アマリファーム

    甘利和歌子さん

    食育アドバイザー

    長野県小諸市でレタス、キャベツ、白菜、ネギなどの高原野菜を生産する農業法人アマリファーム。デザイナーとしてお仕事をされていた社長の甘利崇雄さんが、デザインの力を活かした新しい農業に取り組む、平均年齢が25歳の若い世代が活躍する会社です。土づくりを大切につくったおいしい野菜は、首都圏にも多く出荷されています。そんなアマリファームで自然を相手に広い畑を動きまわり、毎日外でお仕事をされている甘利和歌子さん。食育アドバイザーの資格を取得され、生産者として、日々食事をする生活者として、食べることに深く向き合っていらっしゃいます。周りまで明るくする輝く笑顔が印象的な甘利さんに、ちょうど収穫時期を迎えていたブルーベリー畑の中で、毎日を健康に送るための日々の習慣についてお話を伺いました。

    Q,日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 甘利さん

      食が体をつくる基本だと考えているので、食事は大切にしています。働きながら3人の子育てをしていますが、子どもたちは成長するにつれて、自分たちの意思で道を決めて進んでいくのですね。親にできることは、食事をつくって健康をサポートすることくらいなのではないかと思っています。その中でも私が大切にしていることは、体を冷やさないこと、体を温める食材を摂ることです。

      北麓草水

      どんな食材が体を温める食材なのか教えていただけますか?
    • 甘利さん

      野菜では、根菜に体を温めるものが多いです。にんじん、大根、ごぼう、玉ねぎ、蓮根、芋類などです。ねぎや生姜も体を温めてくれます。夏野菜のキュウリ、レタス、トマト、茄子などは体を冷やします。暑さが厳しい夏を旬とする野菜が体を冷やすのは、利にかなっていますね。夏野菜は生で食べてもおいしいのですが、たくさん食べる時は、火を通して体を冷やしすぎないようにしています。

      北麓草水

      夏に体を温める食材を摂るのに、どのような工夫をされているのか教えていただけますか?
    • 甘利さん

      毎朝家族で、手づくりのにんじんジュースを飲んでいます。にんじん・りんご・レモン汁に紅玉りんご100%のりんごジュースを加え、ジュサーミキサーでつくります。ここ信州には、おいしいりんごジュースがたくさんあります。りんごジュースを加えると、にんじんジュースがとても飲みやすくなります。また、ほとんどの果物は体を冷やすのですが、りんごには体を温める働きがあります。

      北麓草水

      にんじんジュースを飲むようになったきっかけがあれば、教えていただけますか?
    • 甘利さん

      幼い頃から、母が家族のために毎朝つくってくれていた野菜ジュースを飲んでいました。祖父の時代からにんじん栽培をしていたので、にんじんは必ず入っていたと思います。私は母がつくる野菜ジュースを飲んで毎朝学校に通っていたので、私も家庭を持つようになって、自然に家族のためにつくるようになりました。

      北麓草水

      アマリファームでは、いくつもの広い畑で高原野菜を栽培されていて、甘利さんも長靴にユニフォーム姿で畑を飛び回っていらっしゃいます。お仕事についてお話をお聞かせいただけますか?
    • 甘利さん

      数年前までは、野菜の種を発芽させて苗に育てる『育苗』を担当していました。今は現場全体に目を配って、その日忙しく手が足りないところをサポートするようにしています。高原の高低差を利用して、畑の場所と栽培の時期を少しずつずらしながら、春から秋にかけて長い期間収穫ができるようにしているので、畑によって様々な仕事があるのです。

      北麓草水

      毎日外でお仕事をする上で、気をつけていらっしゃることはありますか?
    • 甘利さん

      夏は日照時間が長く紫外線が強いので、できるだけ日焼けをしないように、長袖シャツやアームカバーで肌を出さず、帽子とサングラスも必ずかけて瞳の日焼けも防いでいます。スタッフの体調や様子に目を配ることも、気を付けていることの一つです。1日の終わりには、化粧水で肌に水分を補給するスキンケアも大切にしています。夫婦で愛用しているのは、北麓草水の商品です。夫はボディケアエマルジョンが気に入っていて、毎日使っています。私はモイストローションを使っていますが、はじめて使った時にとても懐かしい香りを感じ、成分表を見るとアマチャヅルエキスとありました。我が家では、祖父の時代から畑の近くに自生している甘茶蔓を採って乾燥させたものをお茶にして、毎日飲んでいたのです。それでとても懐かしい香りに感じたのだと思います。モイストローションをはじめ、どの商品も自然な日本を感じさせる香りで気持ちよく使っています。

      北麓草水

      ご愛用いただき、大変うれしく思います。甘茶蔓の貴重なお話も伺うことができました。ありがとうございます。

    Q,その他に大切にしていること、習慣にしていることはありますか?

    • 甘利さん

      味噌汁を一日に一杯は飲むようにしています。夏の繁忙期は、朝から夜まで畑の仕事が忙しく、料理をつくる時間を多く取れない日もあるのですが、家族にも一日一杯の味噌汁を飲んでもらいたいと思っています。

      北麓草水

      お忙しい中でも毎日味噌汁を飲むために工夫をされていることはありますか?
    • 甘利さん

      自家製の即席味噌汁のもとを常備しています。家族がいつでも手を伸ばして、飲みたいときに自分でつくれるようにしています。自家製の即席味噌汁のもとは、味噌に大豆の粉・鰹節・乾燥プルーンエキス・わかめを混ぜて、保存瓶に入れておきます。これを大さじ2杯お椀に入れて、お湯を注ぐとおいしい味噌汁になります。子どもたちが学校から帰ってきた時、昼食や休憩の時など、各自が飲みたい時に自分でつくって飲んでいます。塩分とミネラルの補給ができて、飲むと体が温まりほっとします。普段の食卓では、季節の野菜、根菜をゴロゴロ入れた具沢山の味噌汁が我が家の定番です。

      北麓草水

      長野は信州味噌が有名ですが、甘利家のお味噌はどのようなものなのですか?
    • 甘利さん

      自家製の味噌を手づくりしています。母が毎年手づくりしていたのを、今は私が引き継いでつくっています。母は地域の女性たちと一緒に、家族で食べる一年分の味噌を毎年つくっていました。私も子どもの頃は母について行って手伝いをしていました。今は私も同じように、地域の若いお母さんたちと婦人会をつくって、毎年味噌づくりをしています。味噌は大豆を蒸して、潰して、塩と麹を混ぜてつくります。量が多いので力仕事になりますが、みんなで集まってつくると楽しくできますね。大豆を多めにして、じっくり時間をかけて発酵させる味噌をつくっています。味噌は麹菌の発酵の力を使った食品で、日本の季節、日本人の体にとても馴染む、なくてはならない食品だと思っています。これからも自分たちの手でつくり、食べ続けたいと思っています。季節の恵みの作物と、古くから伝わる調味料を使ってつくる料理は、体と心を育み整えてくれると考えています。

    夏真っ盛りの繁忙期に訪ねたにもかかわらず、笑顔で迎えてお話を聞かせてくださった甘利さん。自家用のブルーベリー畑で、鈴なりのブルーベリーを摘ませていただきました。「このブルーベリーの木は、父が孫たちのために一本一本植えて、大切に育ててきたものです。そしてここは、子どもたちが小さい頃から家族で収穫を楽しんできた大切なブルーベリー畑です。私も子どもたちも、父と畑で過ごすことで、多くのことを教えてもらった気がします。」お父様、お母様から受け継いだものを、その想いと一緒に大切に次の世代につなげていくことに幸せを感じるとお話しくださいました。ありがとうございました。(2022年8月19日公開)