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    vol.16

    織物作家

    濱野太郎さん

    羊毛を染め、手織りの作品を全国のギャラリーや
    ショップで展示発表、販売をする。

    イラストレーター、画家としての活動から織物の世界に入られた濱野さんです。時間をかけて作り出される、独特な色、質感、風合いは一枚の絵のようでもあります。創作と日々の暮らしについて、お話を伺いました。

    一人で暮らしていて、自宅で作品を作っているので、制作以外のことは、最小限にするようにしています。仕事の休憩時間に食事をするといった感じです。丁寧な暮らしをしたい。という思いはありますが、今は丁寧に作品を作ることのほうが、大切だと考えています。

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 濱野さん

      今は作品を作ることに時間もエネルギーも使うため、できるだけシンプルでそぎ落としたような生活をしています。

      北麓草水

      具体的にはどのような生活をされているのでしょうか?
    • 濱野さん

      一人で暮らしていて、自宅で作品を作っているので、制作以外のことは、最小限にするようにしています。仕事の休憩時間に食事をするといった感じです。丁寧な暮らしをしたい。という思いはありますが、今は丁寧に作品を作ることのほうが、大切だと考えています。

      北麓草水

      濱野さんの作品は紡績糸と手紡ぎの糸を使います。手紡ぎ糸は羊毛の原毛を洗い染色し、それを紡ぐところから始まります。糸にして織るときも決まったパターンを織るのではなく、縦糸と横糸とによってできる色の重なりからイメージをふくらませ、完成させていくという、一枚の絵を描くように織られています。

    体調を保つために何かされていることはありますか?

    • 濱野さん

      体が唯一の資本のような仕事なので、体調管理は気をつけています。 根を詰めて仕事をすると、体が凝り固まってしまうので、仕事の合間に少し手を休めて、肩甲骨を動かす体操や、ストレッチをしています。

      北麓草水

      織りのお仕事は同じ姿勢で長時間座って作業をされていますね。
    • 濱野さん

      運動不足になりがちなので、週に2回はプールで泳いでいます。2時間ひたすら泳ぎます。その他はスーパーへ買い物に行くときは歩いて行くとか、用事で出かけるときは15km圏内ならなるべく自転車で行くようにしています。

      北麓草水

      食事は外食が多いのですか?
    • 濱野さん

      一日二食ですが、自分で作っています。食事にも時間をかけたくないので、朝食はしっかり食べて、日中は仕事に集中できるようにしています。炭水化物のご飯やパンでエネルギーをとって、肉や魚、野菜もしっかり一回の食事で食べるようにしています。例えば蒸し器に白菜と鶏肉団子をいれて蒸すような、簡単に短時間で作れて器具をあまり使わないようなものを作っています。

      北麓草水

      時間や手間をかけなくても、バランスが良くおいしそうですね。

    その他に大切にされていることはありますか?

    • 濱野さん

      香りに敏感で、自然を感じる香りがすきなので、織り機にポプリを掛けています。ふっとした瞬間に香りを感じることがあり、それが仕事中のリフレッシュになります。それから、体や髪を洗うのは石けんを使っています。洗濯、掃除もすべて石けんを使っています。 石けんはなんでも洗えて、体にも自然にもやさしいので愛用しています。

      北麓草水

      これから作品でどのようなことを表現されるのか、お話していただけますか?
    • 濱野さん

      手織りの作品では、四角やストライプというものではなくて、形になる前の世界を織りで表せたらと思っています。空や森、水などの自然の中にある繊細で柔らかい色の広がりのようなものという表現が近いでしょうか。

    織物を始めて6年という短い時間で、次々に作品を発表し続ける濱野さんです。 その集中力とスピード感は、今一番大切なことに時間とエネルギーを注ぐ、潔さだと感じました。 これからのご活躍もますます楽しみになる、楽しいお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。