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    vol.29

    株式会社サステナ代表取締役

    マエキタミヤコさん

    広告会社経営

    サステナブル(持続可能)な社会をつくるための環境広告の会社「サステナ」を経営されているマエキタさん。北麓草水ではカタログなどの文章やコピーライティングを手がけていただいています。言葉で表現をするプロであるマエキタさんに、日本語、日本文化への想いを伺いました。

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • マエキタさん

      特に意識もせずに当たり前にしていることは、すべての生きものと仲良くするということです。いっしょに生活している家族、猫たちをはじめとして、窓辺にやってくる小鳥、庭にいる虫、草木やカビ、菌、酵母など目に見えない生きものたちとも仲良く暮らしています。

      北麓草水

      ありとあらゆる生きものを大切に考えられているのですね。
    • マエキタさん

      姿あるものは時を経て全て土に還ります。その瞬間が美しいと感じます。自然のものを変化させるのもカビや菌の働きです。そう考えると汚いきれいの境界線がなくなります。日本人は古代から菌といっしょに生活していますからね。日本では麹菌(アスペルギスオリゼ)を国菌としているほどです。日本酒をはじめ、和食に欠かすことのできない、醤油、味噌、みりん、米酢などすべて麹からはじまります。私たち日本人は麹菌なしには、生活できないのです。

      北麓草水

      麹菌にお世話にならない日はないのですね。北麓草水にも「柚子果皮と糀のジャム」やスキンケアのディープモイストタイプで甘酒や純米酒を使った商品もあります。

    その他に大切にしていること、習慣としていることはありますか?

    • マエキタさん

      私は生まれたのは日本なのですが、幼少期から台湾、香港、オランダ、イギリスと海外での生活が長かったので、物心ついて日本に戻った時には、日本文化は外国のようでした。「日本は何て変わった国なのだろう。」と感じて様々なことを観察していました。
      日本人の心の中には、自然を大切にする、幼いものや小さな命を思いやり、慈しむ気持ちがあたりまえのようにあります。それは世界的にもとても特別なことです。そして日本語は、和をなす言葉として発達してきました。どうしたら隣にいる人と仲良くできるかを考えて出来上がった言葉なのです。英語をはじめとする西洋の言葉は、自分を主張し争いに勝つための言葉なのです。
      私たちは日本語、日本文化を大切にしないといけません。日本語は平和と環境を守る言葉で、日本語、日本文化を世界中に広めれば戦争はなくなると思っています。慶応大学名誉教授の鈴木孝夫先生のご著書には日本語の特殊性、そしてそれがこれからの地球、世界に果たす役割が解りやすく詳しく書かれています。日本の文化はこの豊かな日本の自然があって出来上がったものです。これほど美しく、水に恵まれ変化に富んだ国は他にありません。

      北麓草水

      私たちは自分たちの言葉と文化や自然と国土など、もう一度日本の良さを深く見直し再認識する必要がありそうですね。
    • マエキタさん

      北麓草水は日本の自然の恵みを製品に取り入れて、適正な価格で販売している、とても日本的なブランドだと思います。日本文化のエッセンスがつまった商品が、日本の平和の親善大使のように世界に広がるとよいですね。

      北麓草水

      それはとてもありがたいお言葉とご提案です。ありがとうございます。そのようになれるように、これからも日々精進を続けたいと思います。

    菌のお話から日本語、日本文化そして世界平和のお話と広く深いお話をしてくださったマエキタさんです。そのお話の流れのように人の目には見えない小さな生命、人や自然が発する言葉、音は地球全体そして宇宙にも繋がるのだということを感じさせていただいた時間でした。ありがとうございました。