• オンラインストア
  • お店のご案内
  • みんなの習慣

    vol.82

    ダンサー・振付家

    鈴木竜さん

    卓越したセンスと表現力で、世界で活躍する表現者

    小学生の時にダンスに出会い、踊ることの楽しさに夢中になり、ダンスの道に入られた鈴木さん。英国ランベールスクールで学ばれた後は、海外のダンスカンパニーに所属し、世界で活躍されます。ロンドンオリンピックの開会式には、ダンサーとして出演されました。帰国後も東京を拠点に、ダンサー・パフォーマーとして世界の舞台で活躍し、また振付家として数多くの作品を発表され、国内外で高く評価をされています。体を使った表現活動をされる鈴木さんに、日々の習慣についてお話を伺いました。

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 鈴木さん

      睡眠と食事は、大切にしています。睡眠時間は毎日しっかり取りたいので、眠くなったら寝るようにしています。食事は特別な決まりごとはないのですが、自分が何を食べたのか、意識をするようにしています。何からつくられているのかわからないものは、できるだけ口にしたくないですね。

      北麓草水

      体そのものを使われるお仕事ですから、食べるもので体をつくって、睡眠で体を回復させることが最も大切なのですね。
    • 鈴木さん

      そして毎日のルーティーンをつくらないことが習慣かもしれません。

      北麓草水

      ウォーミングアップや体のケアで、毎日決まってされることはないのですか?スポーツ選手やアスリートのルーティーンは、話題になることもありますが、鈴木さんがルーティーンをつくらないのは、どうしてなのか教えていただけますか?
    • 鈴木さん

      ウォーミングアップは、毎日その日の自分に必要なことをするようにしています。必ず行なうのはお尻の筋肉のストレッチくらいで、そのほかはその日の仕事、体の使い方によって必要なことをするようにしています。どんな状況や環境でも、今の自分にとって一番必要なことをするようにしています。フリーランスで仕事をしているので、毎日仕事場も仕事の内容も違います。ルーティーンを決めてしまうと、それができない状況にストレスを感じてしまうことになりかねません。決めごとがないと、どんな状況でもストレスなく対応できます。

      北麓草水

      その時その時の状況に応じて、最良のことをされるのですね。気持ちの柔軟性と対応力が必要ですね。お尻の筋肉のストレッチをされるのは、どのような理由があるのでしょうか。
    • 鈴木さん

      骨盤周りの筋肉をほぐすことで、背中や足、腰、と広い範囲の故障の予防になります。

      北麓草水

      一般の方にとっても、お尻のストレッチは腰痛や肩こりの予防や軽減になりそうですね。

    その他に大切にしていること、習慣としていることはありますか?

    • 鈴木さん

      いつも心に留めている言葉があります。Be nice to people on your way up. You’ll meet them on your way down. 出会った人とは、できる限り誠実に向き合いたいと思っています。ダンスは体の動きで表現をするのですが、表現に言葉を使わない分、普段から言葉の大切さを意識しています。相手を受け入れて、意識と意識を通じ合わせることが大切です。そのために、リハーサルやクリエイションの時間は、言葉を交わし合い理解を深めます。また逆に、何を「言わない」かも意識しています。こちらから全てを与えてしまうのではなく、自らが思考し、それを体験することがとても大切だと思っているからです。また、自分の半径1m以内に入る人を幸せにすることが大切だと思っています。大きな世界を見ることも大切ですが、目の前のことをしっかりやって、自分の置かれた場所で、ベストを尽くすことが大切だと思っています。そして、一緒に暮らす家族には「ありがとう」という感謝の気持ちと、「I love you」を毎日必ず言葉にして伝えるようにしています。

      北麓草水

      今後鈴木さんの舞台を拝見できる機会があれば、教えていただけますか。
    • 鈴木さん

      10月19日 愛知芸術劇場「ダンスセレクション」
      独自の作風を持つ振付家・ダンサーによる3つの作品を上演。同時にアーティストたちによるワークショップも開催される貴重な機会です。
      11月24日 京都清水寺「PLAY+PRAY」第六夜
      京都清水寺にて、夏木マリさんによる文化奉納でのパフォーマンス。

    鈴木さんが振り付け、演出、ご自身で演じられた「MUGEN」という作品を拝見しました。石川啄木の詩「一握の砂」を題材にしたその作品は、いつまでも心に残り、繰り返し何かを問いかけてくるような力強いもので、体の動きで表現される、作品の迫力と美しさに圧倒されました。お話を伺うためにお会いした鈴木さんは、温かな人柄で、ダンスのことをわかりやすく丁寧にお話をしてくださいました。公演を無事に終わった後は、近くの神社に行き、お礼と報告をされるそうです。スタジオ近くの神社で、手を合わせる姿にも、鈴木さんの誠実さを感じました。ありがとうございました。